後の祭り five o'clock surprise 2004 1 22

 今となっては、「後の祭り」ですが、
自衛隊は、キルクークに展開すべきだった。
イラク南部には、日本企業が展開すべきだった。
 キルクークが、運が悪ければ、
パレスチナのようになる可能性もある。
「第二のパレスチナ」です。
 しかも、パレスチナと違って、
キルクークは石油都市というのが、悩ましい。
 そこへ、クルド独立運動が絡んでくる。
そして、クルド独立運動は、
トルコも、イランも、新生イラクにとっても、つらい問題でしょう。
 しかし、キルクークをめぐる問題も、クルド独立運動も、
運が悪ければ、世界の火薬庫となる可能性があります。
 しかも、この地域の上に位置し、ロシアとの間には、
「民族の宝庫、民族のデパート」と言われる地域がある。
 クルド人をめぐる紛争が、
さらに大きな民族紛争へと発展する可能性がある。
 いずれにせよ、イラク南部のような安定している地域に、
自衛隊を派兵しても、国際貢献度は低い。
キルクークに展開してこそ、本当の国際貢献と言える。

パンドラの箱 pandora's box 2004 1 17

「ニューズウィーク日本版 2004 1.21」を読むと、
やはり、イラクが、伝説に聞く「パンドラの箱」だったと思えてくる。
その記事は、以下の通り。
「Refereeing in Hell」
「新生イラク『分解』の現実味」
「クルド人は、すでに『独立』」
「いま、クルド人は、自前の法律と指導者と軍隊を持っている。」
「スンニ派も、民兵組織を作るべきだと唱えている。
イランで訓練を受けた約1万人のシーア派民兵や、
実戦経験豊富な約7万人のクルド人民兵と対抗するために、
独自の兵力が必要というわけだ。」

戦略的思考 strategic thinking 2004 1 21

 最近、自衛隊の派兵が、大きな話題になっていますが、
これは、将来に「禍根」を残すことになるでしょう。
 なぜならば、自衛隊の派兵地域は、シーア派が支配する地域でしょう。
この地域で、自衛隊の戦後復興事業が成功したら、どうなるか。
イラクは、シーア派だけではないのです。
スンニ派やクルド人からは、嫉妬の原因となるでしょう。
「なぜ、自衛隊は、シーア派だけを助けるのか」
 自衛隊の成功が、
スンニ派とシーア派の対立を助長する原因にもなる可能性があります。
そして、スンニ派からも、
「自分たちの地域にも、自衛隊を派遣してほしい」と要求が出るでしょう。
 そもそも、シーア派は、イスラム社会では、多数派ではありません。
イスラム社会では、スンニ派が多数派です。

 さらに、クルド人をめぐる各国の思惑があります。
クルド人は、イラク、イラン、トルコの各国に広がっています。
クルド独立運動が大きくなれば、
この地域が、世界の火薬庫になる可能性があります。
 さらに、ここが世界の火薬庫になれば、
トルコと中国を結ぶライン上も、世界の火薬庫となる可能性があります。
この地域も、多くの民族が住んでおり、民族紛争の可能性があります。
 また、キルクークは、石油都市ですが、
ここの支配権をめぐって、紛争の可能性があります。
 こうして考えてみると、
自衛隊の派兵予定地が、イラクで一番安全というならば、
この地域は、民間人を派遣すべきです。
たとえ民間人にとって危険でも、商売になれば、民間人は行きます。
 むしろ、自衛隊は、キルクークの方がよかったと思います。
クルド人をめぐる紛争の可能性、
石油都市キルクークめぐる紛争の可能性を考慮すれば、
イラク南部よりも、はるかに重要です。
 このように、国際貢献を考えれば、キルクークでしょう。
イラク南部は、イラクでは、一番安定している地域です。
このような地域に派兵しても、国際貢献度は低いですし、
上記のように、将来に「禍根」を残す可能性があるのです。
 今回の自衛隊の派兵地域の決定は、
いかにも、小役人が考えそうなことです。
政治家が、小役人のようになってしまったのです。
官僚にリスクを取れといっても無理な話です。
リスクが取れるのは、政治家だけです。
その政治家が、小役人のようになっているのは、実に情けない話です。


































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